2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第一章 思想や科学と哲学とは壁を乗り越えられるか?③個人における責任とは何か?組織、集団の責任倫理との狭間で(1)

今回から言葉の持つ概念世界であることの意味と作用と限界について養老と永井の論文を具に検討することと、それ以外の実際の社会的出来事への洞察を絡めて考えていきたい。今回は養老の考えを中心に検証していってみようと思う。その前に最近あった社会的出…

第一章 思想や科学と哲学とは壁を乗り越えられるか?②言葉とは倫理の発生である(2)

因果関係というものをちょっと考えてみよう。 私たちは食事をする。しかし食べ終わると食欲は失せて、今度はテレビを見たり、本を読んだりしようとか休日は思う。しかしそういう風に休日に過ごすことが出来るのは、生活費があるからである。食べて生活費が底…

第一章 思想や科学と哲学とは壁を乗り越えられるか?②言葉とは倫理の発生である(1)

私たちは物事を考えるのに必ず言語的な思考を巡らす。だからどんなに自分で全て考えていると言っても、どこかで規制の約束事に縛られて考えているとも言える。つまりそういう風に自分なりの考えを出そうと思えば思うほど、それは自分だけの考えではなしに他…

第一章 思想や科学と哲学とは壁を乗り越えられるか?①言葉とは何か?

<今回から一切敬省略> 養老孟司は共著や監修なども含めれば都合120冊位を優に超える著作物をものしているので、その著述家としての全貌を把握するということは途轍もなく大変なことだし、またそれは私の任ではないと自認しているので、私の側から問題意…

序 ある科学者とある哲学者

最初に述べておかなくてはならないこととして言っておくが、私は専門の科学者でもないし、哲学者でもない。ただ科学に対して限りない尊敬の念を持ち、哲学に対しては、その中の何人かの哲学者やその考え方に大いに共感してきただけの者である。 しかしだから…